カメラマンの知恵

カメラマンの方に役立つ話を書いていきます

社会人から地方カメラマンになりたいなら、写真学校には行かない方がいい?



カメラマンと一言で言っても様々なジャンルがありますが、社会人の人が地方で写真を撮るフォトグラファーになりたい場合は、写真学校に行かない方がいいです。フォトグラファーにも様々なジャンルがあり、場合によってはデザインやファッション系の学科のある写真学校や、業界とのパイプの強い学校に通った方が良いケースもあります。しかし、地方で写真を撮るフォトグラファーに限定するなら、写真学校の予算はもっと違うものに使った方が有意義なものになると、実際に写真学校を卒業した僕は感じています(写真学校が無意味という意味ではありません。詳しくは後述)。

 

写真学校をオススメしない理由①

写真学校をオススメできない一番の理由は、学校で習うことはわざわざ学校に行かなくても学べるからです。時代は変わり、今では独学で学んだり、現役カメラマンのセミナーや教材で学ぶことで十分基礎知識や撮影スキルを学ぶことができます。

 

写真学校の授業料は高いです。大体1年で120万円。2年通ったら250万円。3年通ったら400万円ぐらいです。プラスアルファでさらにいろいろなお金が必要になります。

 

仮に、2年通ったとしたら250万。これだけのお金があれば、独学や現役カメラマンのセミナーや教材で学んでも半分以上お釣りがきます。そのお釣りで、カメラやレンズ、写真現像専用のパソコン、現像ソフト等を買ったり、さらに勉強代やその交通費に回すことが可能です。

 

写真学校をオススメしない理由②

お金を払って学ぶことより、お金をもらいながら学ぶ方が身につきます。つまり、写真学校に行くよりも、写真撮影を仕事にしているスタジオ等に働きに出た方がいいです。学校では生徒ですが、スタジオで働けば例えアルバイトでも勤務先の顔の一つになります。その緊張感は、学校よりも呑み込み速度、上達速度を早めてくれます。

 

これは、写真以外にも言えることです。お金を払って学ぶよりも、お金をもらいながら学ぶ方が呑み込みも上達も早いです。

 

さらに、働きながら学べばアルバイトであっても毎月給料がもらえます。そのお金を生活費に充て、余裕があればさらに勉強代に回していくのです。そうすれば、他の人が学校で2年学んでいる間に、あなたは2年後にはもう独立をして十分活動できるようになっています。

 

写真学校をオススメしない理由③

写真学校は、フォトグラファーになりたい人が集まります。しかし、その人たちは将来あなたのライバルになる人です。お客さんにはなってくれません。中にはファッションやデザインの学科もある学校もあったりしますが、その方々は自分の地元に戻った時にお客さんになってくれるでしょうか?

 

もちろん、同じ志を持った仲間との交流も欲しいかもしれません。ファッションやデザインなどの学科の友人からも、将来仕事がくるかもしれませんがそれだけでは食べていけません。

 

あなたがもし、近い将来地方での広告写真を撮るフォトグラファーになりたいと思うのであれば、学校には行かず、働きながら写真を学び、同時に地方で集客できるスキルを身につけるべきです(後述)。

 

写真学校をオススメしない理由④

写真学校では、知識や技術を教えてくれます。しかし、写真が上達する為の基礎スキルを向上させる方法はあまり教えてくれません。テクニック重視で、上達する方法は教えてくれないということです。もちろん、テクニック等も大事ですが、テクニックは表現の幅を広げてくれるもの。つまり広げる元になるものを先に身につける必要があります。それがどこから撮ればどう写るかが分かる基礎スキルです。これは、余程良い指導者に巡り会わなければ教えてもらえないことです。
 
なので、学校で上達するかしないかは個人差に依存します。個人差を無くす方法は僕のオンライン講座で解説していますが、学校に行きたいという場合は学校の学びをしっかり経験値にする為にも是非一度ご相談ください。
 
また、学校では都市部を中心とした就職のサポートをしてくれることはあっても、地方で独立をして集客する方法は教えてくれません。写真学校と業界のパイプの強さを謳っている学校も多いですが、そのパイプは地方では役立たないこともあります。あなたが近い将来地元で独立して活動したいなら、学校に通うという選択肢は現実的ではない可能性が高いです。
 
 

地方カメラマンになる最善の選択は?

以上のように、社会人の人がこれからフォトグラファーを目指すなら、写真学校は現実的ではありません。学費はもっと有効に活用すべきです。では、具体的にどうするのか?

 

先ほどの話にもありましたが、会社員を辞めるならまずは写真のスタジオで働くべきです。写真のスタジオと言ってもいろいろありますが、地方では学校アルバムの撮影を行う写真館しか選択肢がないかもしれません。しかし、写真館は意外と鍛えられます。僕も写真学校時代は写真館に勤めていたのですが、写真館での学校アルバムの撮影は、イベント系の基本的な撮影スキルが磨けます。

 

被写体は数十人から百数十人。その中で満遍なく撮影する必要があり、どこで何をしているのかが分かる記録的な要素も踏まえながら写真としてのクオリティも求められます。 学校アルバムの撮影は、趣味のように撮りやすい偏った被写体だけを良い雰囲気で撮ればいいという撮影ではないので、仕事の撮影で必要な、

 

・全体をみて撮り漏れがないようにする

・ただ背景をボカした良い雰囲気な写真だけでなく、記録的要素を踏まえながらも良い写真を撮る

 

というスキルのトレーニングになります。とくに、近い将来出張でご家族写真を撮ったりイベントの写真を撮ったり、ライブ系の写真を撮る仕事をしたい方にはオススメします。

 

商品や料理の撮影は、独学や現役カメラマンのセミナーや教材で学ぶことができますが、イベント系の写真を撮る場合は現場の経験が必要不可欠です。最低でも1年ぐらいはスタジオに勤めて経験を積んだ方がいいでしょう。

 

できれば、会社を辞めて1年ぐらいはスタジオ勤務しておいた方がいいですね。その際は、生活費ぐらいの収入は得られると思いますが、最低1年は勉強しながら食べていけるぐらいの貯金があれば安心です。

 

 

そして、スタジオ勤務と同時に

 

どんな撮影にも必要な撮影の基礎スキル

 

人物や商品、料理系のストロボライティング

 

独立に向けての集客ノウハウ

 

これらを学んでいければベストです。地方では人物、商品、料理、建築等いろいろ撮れた方が強いです。記念系の家族写真やブライダルだけを撮るカメラマンとしてやっていくならもちろんそれでも構いませんが、学ぶことは同じですね。

 

とくに、独立をしてからの集客は、独立する前から取り組まなければいけません。独立しました!と宣言しても、余程人脈がない限りいきなり仕事はきませんので、独立をした時に仕事がもらえるように写真の勉強もしながら種蒔きも行っていきます。

 

僕は、独立に向けての集客準備を何もせずに独立してしまったので最初は大変でした...。準備を怠ると、独立してからまた1年間ぐらいは種蒔き期間を体験することになります。そうすれば、無収入期間が増えるだけ。ぜひ、独立前から集客の準備を行ってください。

 

会社員を続けながら独立を目指すなら、仕事が終わった後の3時間前後と休日しか学びの時間がありません。その時間を全て写真の時間に注げるなら、早くて1年半ぐらいでしょうか。大体2年ぐらいが目安になるかと思います。ちなみに、会社員を辞めてスタジオで働きながら、撮影の基礎スキル、ストロボライティング、集客準備を行うなら約1年で独立することも可能だと思います。

 

もちろん、あくまで目安です。取り組める環境やスピードには個人差があるので、多少前後するかもしれませんが、約1年で独立するのは不可能ではありません。是非、あなたの生活やペースに合わせて準備をしていってください。

 

それと、今回の内容はある程度社会人経験がある20代後半の人を対象にしています。20代前半の人は、もう少し社会人経験を積んだ方がいいです。人は成長するのに時間がかかります。とくに、18歳や20歳の人なら写真学校や大学で様々な経験をすることも有意義になるはずです。人生では無意味なことなどありませんので。

 

また、今の仕事が不満だから好きなことを仕事にしたいという人は、おそらく何をしても不満が残ります。パワハラ等やブラック企業などのケースは別ですが、今の仕事にやりがいを覚えられないうちは、今の職場で励むことをオススメします。