約5年前の話です。僕は当時、滋賀県から全く無縁の広島に引っ越しました。訳あって3年前ぐらいにまた滋賀へ帰ってきましたが、全く無縁の土地に引っ越したことがきっかけである危機感を覚えるようになりました。それは、
フリーランスの自分が集客に無知なままなら、一瞬で廃業してしまう…
というものでした。
ただ、ありがたいことにたまたま引っ越しの1ヶ月前にFacebookを知ったことで、結果的に広島に引っ越してから今までFacebookだけで仕事の9割を獲得できています。正直なところ、戦略的にFacebookを選択したとは言えません。ですが、Facebookは集客に使える!そう気付いたのは事実です。では、なぜカメラマンである僕がFacebookが集客に使えると思ったのか?結果的に、なぜ僕が過去5年間Facebookだけで集客できているのか?順番に解説していきたいと思います。
- 見込み客がFacebookをしていた
- ニーズの発生を待たなければいけないカメラマンのインバウンドマーケティングに適している
- Facebook自体が口コミを発生させ易い仕様になっている
- FacebookはSNSの中でも実社会の繋がりの再現性が高い
- Facebookページなら詳細なターゲット広告を低コストで出せる
- 最後に
見込み客がFacebookをしていた
小規模事業の具体的な活動としては、
- どの商品を誰に売るのか?
- その商品をどういったプロセスで売るのか?
- 何で集客し、何を売るのか?(集客商品、利益を出す商品)
という戦略を考えていきます。そして、その戦略を実行する為に戦術を考えます。
つまり、Facebookは戦術ですね。なので、単純な「Facebookはビジネスに活かせるのか?」という質問はあまり意味がありません。なぜなら、戦略次第で活かせるか活かせないかの判断が変わるからです。では、Facebookがビジネスで活かせるかどうかをどう見極めるのか?まず最初に考えなければいけないのは、
- 見込み客はFacebookをやっているか?
ということです。これが大前提になります。そして、僕みたいに地方のカメラマンとしてクライアントから直接撮影の依頼を頂く場合は、個人事業主や中小企業の社長が多いFacebookはピッタリのツールになります。若い世代をターゲットにした商品を販売しているなら、おそらくツイッターやインスタグラムに力を入れることの方が選択肢としては有力ですが、見込み客が30代以上になるならFacebookが選択肢として有力になります。
地方の撮影の仕事は、昔と違って印刷会社等の大きな会社に集中せず、個人や企業から直接以来されるケースも多々あります。その個人や企業と繋がりが持てるFacebookは、地方で広告写真を撮るフォトグラファーにとってはうってつけのツールなのです。
また、個人でHPやチラシの制作をされている方もFacebookをやっていることが多いので、なかなか見つけにくい貴重な見込み客を見つけることも可能です。実際、僕は直接ご依頼頂くこともあり、Facebookで知り合った個人等からHPやチラシ用の写真撮影の仕事を頂きます。
ニーズの発生を待たなければいけないカメラマンのインバウンドマーケティングに適している
一般的には、見込み客に「この商品どうでしょうか?」とセールスすることが多く、都市部のカメラマンなら制作会社に作品を持ち込んで「仕事をください」と営業されるケースも多いです。このような、売り手側から見込み客に働きかけ、今ニーズがある見込み客をターゲットに1ステップで販売していく方法をアウトバウンドマーケティングと言われたりします。
一方、近年では違ったやり方で見込み客に販売していくケースが多くなっています。それが、今はニーズはないけど将来ニーズが現れる確率の高い見込み客と繋がっておき、近い将来ニーズが現れたら自社の商品を買ってもらえるよう関係性を育むという方法です。
これをインバンウンドマーケティングと言います。そしてFacebookはインバウンドマーケティングを行うのに適したツールなのです。言い換えると、Facebookは未来の顧客を獲得する為のツールということですね。
具体的に解説するなら、
- 見込み客と友達になる
- Facebookに1日1回か2回ぐらい仕事で撮った写真等を投稿し、その写真を撮影したエピソードやクライアントの紹介をする。
- それを見た見込み客は、「写真を頼むならこの人にお願いしたいな」と思うようになる。
- 実際に写真撮影の必要性が出てきた時、依頼のメッセージが来る。
という流れです。
通常、今ニーズがある見込み客に対しては、ネット広告、DM、チラシ、直接営業等を使ってダイレクトに情報発信していく方法もありますし(シーズン毎に需要のある撮影等)、SEO対策(検索されて自社ページを上位表示にする対策)を行うことで、今ニーズがある人に見つけてもらうというのもありです。
しかし、地方で広告写真を撮影するようなカメラマンは今ニーズがあるという人にダイレクトにセールスをする機会があまりありません。都市部であれば、HPや印刷の制作会社も多く、撮影の案件も豊富にある為、片っ端から営業をかける方法もあります。しかし、地方ではそのHPや印刷の制作会社も少なく、撮影の案件も少ないです。なので、営業するにしろ、お客様に直接依頼頂くにしろ、待ちの姿勢となります。その待ちの姿勢でもしっかり集客できるツールがFacebookとなるのです。
また、見込み客や顧客と接触を増やし関係性を育むと、
- 同じ商品を扱っている競合がいても、値段に関係なく自社で商品を買ってくれるようになる。
- 流出客を減らすことができる。
というメリットもあります。人間は、「安くて良いものを」という合理的な判断だけでなく、誰から買うか?どんな体験をして買うか?という消費体験が購買に大きな影響を与えます。
あなたもご経験されたことがあるのではないでしょうか?
- よく知っている友人から買う。
- 仲良くなったスタッフさんがいるお店に行く。
- 行きつけのお店の近くに同じようなお店ができても、同じ店に通う。
- 多少値段が他社の方が高くても、何度か利用したお店で商品を買う。
それらは全て、売り手側と買い手側の関係性が築かれた上の安心感等があるからです。Facebookに限らず、見込み客・顧客と関係性を育むことはとても重要です。Facebook運営で関係性を育むということにピンとこない場合は、専門家として情報発信していくイメージをしてみてください。僕の場合なら、撮影した写真をどんどん公開したり、写真の専門家として写真の豆知識などを発信していくことで、お客さんにニーズが現れた時に撮影や講座の依頼がくるようになります。
Facebook自体が口コミを発生させ易い仕様になっている
Facebookの特徴の一つとして、Facebook自体が口コミ効果が広がりやすい仕組みであることが挙げられます。個人ページで友達関係になっていれば、個人ページでもFacebookページでもタグ付けをすることができます。例えば、僕がAさんの写真を撮り、その写真をFacebookに投稿したとします。
その時、「この写真はAさん」とタグ付けすることによって、その投稿が自然とAさんの友人まで届いていきます(写真の投稿、タグ付けはもちろん許可を頂いてから行います)。すると、その写真はAさんの友達まで表示されるようになり、それが評判となりAさんの友人の中から「私も撮ってほしい!」という方が現れます。
友人が買っている、利用しているというのは、一瞬にして信頼を獲得できてしまうんです。広島にいる頃、最終的には1200人の友達と120人の顧客に恵まれましたが、その一番初めはこのタグ付けによる口コミ効果の拡散がきっかけでした。
どういうことかというと、まずは「5名限定で無料で撮影致します」と募集しました。当時の友達の数は150人ぐらいでしたが、無料なのですぐに5名集まりました。ここでポイントなのは、無料撮影には条件をつけさせてもらったことです。
その条件は、撮影した写真をタグ付けしてFacebookに投稿させてもらうというものでした。そしてタグ付け投稿を繰り返していくうちに、口コミ効果のおかげで少しずつ認知度も上がり順調に仕事も増えていったのです。
すでにフォトグラファーとして活動していて、お客さんも見ているという場合は無料での募集は控えた方がいいかもしれませんが、僕は取材という形で様々な方を撮っていいきタグ付けで公開させてもらうやり方を行っていました。
FacebookはSNSの中でも実社会の繋がりの再現性が高い
ところで、Faceboookの他にも、Google+やTwitter、インスタグラムといったSNSがありますが、なぜSNSの中でもFacebookを利用することが効果的だったのか?それは、Facebook内でも実社会の繋がりが反映されるからです。
Facebookは実名で登録し、基本的には自分の知人と友達になります。そして、実社会の中でもコミュニティ・グループが存在すると思いますが、そのグループもFacebook内で形成されています。一言で言えば仲良しグループですね。これは目に見えるものではありませんが、しばらく続けていると分かるようになってきます。
そのグループの中の人に写真を依頼してもらい、タグ付けをさせてもらえればどうなるか?
そのグループ内の人には「あの○○さんを撮ったカメラマン」という認識をされ、グループ内で信頼を獲得することができます。その依頼主がグループ内でも影響力がある人や有名な人なら、一層信頼と認知度を獲得できます。
Facebook以外のSNSは、実名ではないニックネームがほとんどです。なので、現実世界のグループなどは形成されにくく、同じ都道府県内の友達が増えるというよりも居住地がバラバラの友達が増えていく傾向があります。
地方のカメラマンにとっては、商圏は自分が住む都道府県とその近辺がメイン。であるなら、なるべく自分が住む都道府県の人と友達になり、そのグループに浸透していくのが一番です。
Facebookページなら詳細なターゲット広告を低コストで出せる
ここまで4つの話をしました。
- 見込み客がFacebookをしていた
- ニーズの発生を待たなければいけないカメラマンのインバウンドマーケティングに適している
- Facebook自体が口コミを発生させ易い仕様になっている
- FacebookはSNSの中でも実社会の繋がりの再現性が高い
この4つは個人ページを運営する時の話です。ですが、ご存知のようにFacebookには個人ページの他にFacebookページというものがあります。
これは、実名で運営する個人ページとは違い、企業名やコンセプト名で運営できるページで、このFacebookページでは広告を出すことができます。Facebook広告では、よく見るようなWEB広告みたいなものも出せますし、投稿したものをより多くの人の目に触れるように広告を出すこともできますが、僕はFacebookページを写真講座の集客に繋げています。
シンプルに解説すると、
- Facebookページの「いいね!」を増やす
- 写真講座の開催を告知 → 人が集まる
- ブログ記事をシェアすることでブログからオンライン写真講座の申し込みを頂く
という流れになります。今まで60万ぐらいの広告費をかけてきましたが、直接的な売上は最低でも6倍以上の売上にはなっています。
最後に
Facebookの流行はもう終わったかもしれません。ただ、流行が終わればもう使えないのかというと別問題です。今でもアクティブユーザーは多いですし、Facebookで何ができるのか、何ができないのかを理解していれば、上手く集客に繋がると思います。とくにカメラマンはSNSとの相性はいいです。なぜなら、SNSの運営は写真が鍵となるからです。
写真を仕事にしている人なら良い写真を量産できるはずです。写真を仕事にしていない人は、その写真を用意すること自体がハードルとなりますが、そのハードルが最初から存在しないカメラマンはSNSを上手く利用できる存在なのです。ぜひこれを機に、FacebookをはじめSNSの運営に力を入れてみて下さい。
ちなみに、カメラマンさんのFacebook集客のサポートも行っています。詳しくはこちら。
https://www.ipocamera.com/support
Facebookを24時間働く営業マンにしたいという方は是非ご覧になってみて下さい。