情報発信において、写真は必ず重要視されます。おそらく、多くのカメラマンは写真が大事という認識があり、実際に口にしている方も多い筈。しかし、なぜ写真が重要と言われるのか?と問われた時に、答えられない方も多いのではないでしょうか。
今回は、その理由について解説してみたいと思います。
①五感を通じて訴求できる
写真が重要と言われる一番の理由がこれです。五感を通じて商品の情報を得ると、人間の脳はその商品を利用した時と同じような反応を示します。つまり、擬似体験がおきるのです。一度擬似体験がおきた人は、その商品に対して安心感を覚え、購買へのハードルが下がっていきます。
- 目で見る
- 匂いを感じる
- 味を確かめる
- 耳で聞く
- 手で触る
このように五感を通じて情報を得た場合は、五感を通じて情報を得られない場合に比べて遥かに購買へ繋がりやすいです。いくら良い商品があるという説明文を読んでも、それだけではなかなか購買へ繋がりません。実際に目で見て触り体感することで、購買へ繋っていきます。
ここで、WEBで情報発信する場合を考えてみてください。よく考えてみると、WEBからは画像という視覚を通じた訴求、又は動画という視覚と聴覚を通じての訴求しかできません。大事なことなので、もう一度言いますね。
WEBでは視覚と聴覚を通じた訴求しかできないのです。
店舗販売の場合は、来店してもらえれば様々な五感を通じて訴求することができます。しかし、WEBで販売・来客を促すなら、画像か動画でしか訴求できません。その為、最低限画像のクオリティを上げて、より視覚を通じて訴求しなければいけないのです。ちなみに、紙の場合は紙の質感と写真の視覚といった2つの五感でしか訴求できません。
これが、 HPやチラシで写真が重要と言われる理由です。当たり前と言えば当たり前ですが、五感を通じて訴求することが重要なことと、脳内で疑似体験をしてもらうことが目的であることを理解していれば、必要な写真がより明確になりその理由も説明できるようになるはずです。
②見込み客の不安を解消できる
2つ目の理由は、見込み客の不安を解消できる点です。例えば、飲食店では店内が見えない場合は客数が減ります。なぜなら、どんな雰囲気のお店か分からないからです。お店の雰囲気が分からなければ、何時誰とどんな時に行くお店なのか?一人で行けるお店なのか?ということが想像しにくいです。つまり、不安なのです。この不安があるとお客さんは足を運びません。
そこで、例え店内が見えなくても、お店の前に店内の写真を大きく印刷して置いておくだけでその不安を取り除くことができます。チラシやHP等でも、店内の写真を通じて雰囲気を確認することができれば、それだけ足を運ぶ妨げになっていたものを取り除くことができます。HPやチラシで店内写真が必要と言われるのは、見込み客の不安を取り除く為なのです。
不安を取り除くことが目的であると分かれば、どんな写真を提供すれば見込み客の不安を解消できるだろう?と考えることができます。しかし、この本質を理解していなければ、ただ店内写真を撮るという考えしか浮かびません。もしかしたら、もっと他の写真の方が効果的なケースもあるかもしれないのに、本質を理解していない為気づくことができなくなくなってしまいます。
③見込み客の考える手間を無くせる
顧客は、余程欲しいものでなければ自分でいろいろ考えることを嫌います。なので、顧客にいろいろ考えさせてしまうと購買率・リピート率が下がる可能性が高くなります。
ただ、顧客が得たい情報を提供しないのとは別の話です。顧客がその商品を選ぶ為に、納得して買う為に必要な情報は提示し理解してもらわなくてはいけません。そこは大前提ですが、例えば文章ばかりの説明でそこから顧客自身が想像して読んでいかなくてはいけない場合。これは、写真で表現できるところは写真で表現すべきです。その方が、顧客はイメージとして理解しやすくなります。
例えば、飲食店で文字だけが羅列されているメニューなどは悪い例でしょう。メニューには必ず写真を載せて、且つお店のオススメ順に書いておくと分かり易いです。最初の見開きで、「当店のオススメ・一元さんはまずこれを」という感じで大きく買いておき、お店の代表的なメニューの写真を並べる。そうすれば、パッとみただけで
- 「ここのお店にきたら、まずこれを食べたらいいんだな。このお店はこれがオススメなんだな」
ということがすぐに理解することができます。文字情報を写真にするだけで読み手は考える手間が省け、且つその写真の表現の仕方等を工夫することで、さらに見込み客の考える手間を省かせる。そのことを理解していれば、クライアントによってどのような写真が適切なのかがより分かるようになるはずです。
3つの要素が同時進行で
これらの3つの要素は、ほぼ毎回同時進行で行われます。先ほどの例で言えば、写真とレイアウトを考えることで
- 「このお店はこれがオススメなんだな」
と、顧客の考える手間を省けると同時に、五感にも訴求することができ、どれを頼んだらいいのか分からないという不安も解消できるので、一石三鳥となるわけです。
このように、3つの要素はそれぞれ独立しているわけではありません。その為、写真撮影を行う前には、
- いかに五感を通じて訴求できるか?
- いかに顧客の不安を解消できるか?
- いかに顧客の考える手間を省けるか?
この3つを同時に考えていかなくてはいけません。
これが、情報発信における写真が担う役割です。この3つの要素をしっかり理解していれば、情報発信時にどんな写真が必要になるのかが分かるようになり、その理由も明確になるでしょう。カメラマンであるならどんな写真がいいかを提案でき、依頼主ならどんな写真が必要なのかを要望することができます。
どんな写真が必要なのか?なぜその写真が必要なのか?常に考えられるようにしていたいですね。